初めて派遣社員を受け入れる時の事前準備・注意点
2024.11.04
せっかく入社した派遣社員には十分なパフォーマンスを発揮してもらい、長期的に勤務してもらいたいところです。
事前に受入体制の準備を抜かりなく行うことは、派遣社員への信頼につながり、派遣社員の離職防止にも効果があります。
今回は、
1.派遣社員の受け入れ当日までの準備
①社内への周知
派遣社員を受け入れること、その目的を関連部署に周知します。
派遣社員が出社した際に全社に周知が行き渡っていないと、業務が開始してからやりにくさを感じ、会社の対応に不安を抱く方もいます。
派遣社員が行う業務内容、範囲、契約期間、勤務日時・シフトといった契約内容に関係することを伝えておきましょう。
②派遣就業に関する管理業務
指揮命令者や派遣先責任者、苦情の申し出先窓口などについては、契約書に記載しなければならない事項なので明確にしましょう。
派遣社員が就業中の疑問や不安を抱えた際に、いつでもコンタクトを取りやすいように責任者を決めます。各責任者は事前に派遣契約に関する資料に目を通し、自身の役割を確実に把握しておきましょう。
③社内関連のツール整備
派遣先にスムーズに馴染んで業務に就けるように、社内関連の物品を準備します。業務に必要なパソコン・ネットワーク権限はもちろんのこと、前任者からの引き継ぎ書類・業務マニュアルなどがあれば忘れずに用意しましょう。ツール整備の一覧表を作成してチェックしておくと安心です。
【主な準備すべきツール】
- IDカード(入館証)や身分証
- 業務用機器、事務用品、備品、デスク
- 業務マニュアル、引継ぎ書類
2.派遣社員への初日の案内
受け入れ役の担当者は、初日に過不足なく派遣社員を案内できるように、以下の項目に関する案内を行うようにしましょう。
①業務関係者への紹介
派遣先責任者、指揮命令者、所属部署社員、就業部署内といった業務関係者に派遣社員を紹介します。
②社内施設の案内
立ち入り禁止区域、非常口・扉・階段の場所、トイレ、給湯室、ロッカールーム、休憩室の場所、社内食堂の利用等について確実に伝えます。
③設備の使い方と使用ルール
電話、FAX、コピー機、プリンタなどの日頃業務で使用する設備の使用ルールを説明します。
他にも事務用品や用紙など、各種備品の保管場所や利用ルールも伝えましょう。
④社内ルールの共有
出退社時のルール、勤務表の記載方法について説明しておきましょう。また、社内組織の概要を説明し、担当部署の位置づけを把握してもらうようにします。
その他、機密情報の取り扱いに関するルールは特に重要です。口頭での説明の他に誓約書などがあれば事前に派遣会社に知らせておき、署名の必要があることを共有しておきましょう。
⑤業務内容の説明
社内・部署内の全体の業務の流れ、担当する業務内容とその役割を説明します。質問方法や質問する相手について業務ごとに明確に伝えておくことで、派遣社員も安心感をもって業務に取り組めます。早く社内に慣れてもらうように、座席表・組織図なども配布しておきましょう。
3.派遣社員とのコミュニケーションの取り方
①派遣社員が安心して働ける環境作り
派遣先の担当者は、所属部署の上司と相談しながら、派遣社員が安心して働ける環境かどうかを気にかけるようにしましょう。派遣社員の業務習得や社内への適応状況などを把握しておき、つまずくことのないよう、相談しやすい環境作りを心がけましょう。
②派遣社員の不安の解消
指揮命令者は事前に決定し、派遣社員に周知しておく必要があります。しかしながら、入社後に派遣社員にとって不安に感じるのは、「指示を誰に受ければ良いのか?」「何をすれば良いのか?」「相談したい時に誰に聞いたら良いのか?」という状況です。
入社初日にあらかじめ質問の窓口を周知しておくだけでなく、その後も派遣社員が戸惑うことなく業務に取り組めているかを確認しましょう。
③派遣社員の業務内容の把握
業務内容と契約内容の一致は必須事項です。契約内容からの逸脱がないかどうか、定期的に派遣社員から聞き取りを実施します。派遣契約の期間にもよりますが、求める業務を正しく遂行してもらうために、派遣社員のスキル向上や知識獲得のサポートを適宜実施していくこともモチベーションのアップにつながります。
4.まとめ
もし派遣先から派遣社員に直接伝えにくいことがあれば派遣会社に相談すると良いでしょう。
派遣会社が派遣社員と面談して話し合うことで解決に向かうこともあります。
派遣開始前、開始後ともに困りごとがあれば派遣会社に協力を仰ぎ、派遣社員が働きやすい環境を目指しましょう。