【派遣先企業必須】派遣社員の職場見学における注意ポイント
2024.11.04
1.職場見学とは何か?
職場見学は、派遣先企業が派遣社員を選ぶ場ではありません。スタッフが職場環境や業務内容を確認する為に、スタッフ本人の希望で行われるものであることを理解しておきましょう。
①派遣社員が職場環境や業務内容の確認をする場
入社前にスタッフが職場環境を確認し、自身の担当業務について詳しく知る為に設定される場です。スタッフが抱える疑問や不安を解消する為に設けられます。
②派遣社員の自らの希望で行われる
職場見学は、派遣社員と派遣先企業のミスマッチを防ぐ為の貴重な機会ですが、あくまでも職場見学は、スタッフが自ら希望して実施することが前提です。派遣先企業がスタッフに対して職場見学の実施を求めることは出来ません。
③自社の採用面接とは別物
職場見学と自社が実施する「面接」は別物です。派遣先企業にどの派遣社員を派遣するかを決定するのは、雇用関係のある派遣会社です。派遣先企業が派遣社員を特定する行為は、労働者派遣法で禁じられているので注意しましょう。
2.職場見学の流れ
①業務内容・その他業務に付随する説明
説明すべき主な内容は以下の通りです。
- 担当業務(業務内容、1日の流れ、納期など)
- 業務に必要なスキル・資格・経験
- 勤務時間(残業の発生有無など)
- 業務指示(業務について誰から指示を受けるのか、質問の窓口など)
- 職場環境(部署人数、男女比、年齢構成など)
- その他(就業期間の見込み、休日、シフトなど)
②スタッフから派遣先企業への質問
スタッフからの業務や職場環境に関する質問について回答します。職場見学の場でよくある質問は以下のような内容です。
- 業務の引継ぎ方法や引継ぎ期間は?
- 自身が担当する業務での派遣社員の受け入れ実績は?
- 一緒に同じ業務を行う人数は?
- 業務の進め方が分からない時に確認できる人はいるか?
- 利用可能な福利厚生(食堂、休憩室など)は?
③派遣先企業からスタッフへの質問
面接や特定行為と受け取られる質問は禁止です。業務経験やスキルなど、派遣の依頼業務に直接関係のある質問のみ行いましょう。
④職場見学終了
派遣先企業がスタッフに対して、就業の意思表明は行いません。
「本日はお疲れ様でした」「来社ありがとうございました」のように、挨拶を簡潔に伝えて終了します。
3.職場見学での注意点
以下の通り注意すべきポイントを確認しておきましょう。
①個人情報に関することは聞かない
スタッフの氏名、年齢、居住地、出身地、家族についての情報(家族構成や家族の職業)、などの個人情報に関する質問をすることは出来ません。
②職務遂行能力に関係ないことを聞かない
健康状態や結婚・出産などに関すること、宗教や信仰の有無、将来の転職希望、学歴、過去職歴のあった勤務先、退職理由などの情報を聞くことは出来ません。
③派遣社員を特定する発言をしない
「あなたに決めます」「他の候補者に会ってから検討します」というような、派遣先企業が派遣社員を決定し、特定するような発言はしないように注意しましょう。
4.まとめ
特定行為は禁止されていますが、派遣先企業においても、求める派遣社員のスキル、人物像について要望があるかと思います。その場合は、派遣会社にオーダーを依頼する際に、希望する人物像を具体的に伝えるようにしましょう。派遣社員を選考するのは派遣会社です。自社にマッチする人材を集める為に、日頃から派遣会社と派遣先企業で密にコニュニケーションを取る姿勢が大切です。